syrup16gの再発ライヴを観てきました。

国際フォーラム。2階席。

もはやセットリストとかそういう書き方しないからオレ。できないという方が正しい。

とりあえずまだツアー終わってないから、曲タイトルや演出関係は極力省くor全部伏字にします(想像が膨らみません?)



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演奏に関してはキレッキレのライヴですごいよかったです。声もすんごい出てたけど、ところどころちょっと気になっちゃう部分があったのも確か。

頭の何曲かちょっと硬い感じがあって、ドキドキしちゃったけど、中盤の「生活」あたりから抜けた感が出てきて、一気に突き抜けました。2曲目でいきなり「**」とかやるから、何かホントに理由が分からないんだけど、涙がこみあげてきてしまった。懐かしいのか嬉しいのか、自分でもよく分からないんですが、万感の思いというのはああいうのをいうんでしょうか。

序盤でさらっと「ただいま」とか言っちゃうから、ええそんな簡単に!? もっと大事に使ってくれよその言葉!とか思ったんだけど、みなさんはどうなんですかね。意外に調子が軽くてびっくりした。

「君待ち」もやったりして、スクリーン使ったりして、ああいう演出はすごく久しぶりだと思うんですが、やっぱりsyrupには似合うと思う。もっと使えばいいのにな。2回くらいしか使ってなくないかな。

ただ曲演奏してるだけじゃなくて、バンドとしてすごくまとまってて、そこがとてもよかったです。やっぱりライヴだもんね。「ニセモノ」とか、まさかあのアルバムからの曲をやるとは思ってなかったので意表を突かれたんだけど、めっちゃめちゃカッコよかった。特にイントロ。あの重量感と鋭さの同居。重い剣でジュバッと空間を切るような抜群の切れ味。思わず口をついて出てしまった「かっけえ・・・」のつぶやきに自分で笑いました。

アコギパート(といっても弾き語りではない)の「ハピネス」。syrupの真骨頂でしょう。これだよこれ、どうよこの一発で空間を塗り替える力、とか思いながら、目を閉じて聴き入る自分。自分がどこにいるのか分からなくなるこの感覚、久しぶりだった。高音もきっちり出てたし、ドラムやベースもぜんぜん邪魔になってなくて、パーフェクトな一瞬でした。続く「理想的なスピードで」もよかった。やっぱり最新アルバムの曲ってPOPなんだって、この辺で改めて気づいた。だってオレ全部口ずさめたからね。やらなかったのは「(You will) never dance tonight」と「メビウスゲート」だけだと思うけど、あとは実際一緒に唄うことができるくらいに、ホント頭の中にメロディが残ってることに気づいた。いやあのアルバムは傑作ですよ(今更かよ)。

終盤で畳み掛けるように演奏された「宇宙遊泳」、「落堕」、「リアル」の連打が特にバンドの復活を感じさせました。中畑さんのドラムがキレるキレる(吠えまくってたし、ドラムセットにも何回も上ってた。アンコールの「**」のとき背中からライト浴びて数秒間、あのシルエット、めちゃんこカッコよかった)。この辺りの導入部の、あのドロドロした感じっていうのかな、混沌とした感じも久しぶりに味わった。ギターとドラムとベースが渦を巻いて絡まり合っていくスリル。冴えわたる混沌、という矛盾したような表現さえ頭をかすめる、鋭い闇。ホントにバンドのイメージ通りの音像がそこに広がっていて、もう復活の狼煙とか、そういうレベルをはるかに超えた水準のライヴになっていて、頼もしすぎました。

MCは相変わらずほとんどなかったけど、でも喋ってくれた方だと思うけど、1つだけ書かせてください。1回目のアンコールかな、「イカれた HOLIDAYS」、「希望」と続いて、次の曲に入る前に、「えーあんまり好きじゃない曲、やります」って箇所が一番笑った。言いながら「え、言っちゃダメ?」みたいな感じで後ろを見る五十嵐さん。そして視線を受けた中畑さん、笑ってた。そんなこと言ってから唄われても・・・ねえ(笑)。まあ「旅立ちの歌」かなあって思ったけど、やっぱりそうで。ジャカジャカギター弾きながら、軽快に歌ってましたなあ。確かに異色だわ。でもあのテイストも違和感なく(とは言わないけど)鳴らせるというか、ライヴの中に組み込めるということは、ライヴという筋が1本通っているから、ってのはもちろん事実だけど、バンドが解散までのキャリアと今現在をきちんと繋げられているからだと思うんです。だからこれまでのアルバムからもほぼ万遍なく、曲をやってくれたんでしょうし。繋げた上で、次のステージに向かおうとしてる、いや向かってるという感覚を、ヒシヒシと感じました。

曲の作り方とか歌詞の書き方とか、もしかしたら変わってきてるのかもしれないけど(その辺は僕はよく分からない)、でも新作は間違いなくPOPだし、すぐれた作品だと思うし、そう考えると、これから先に何が出てくるんだろうって、すごく楽しみになってきたんです。ライヴ中にふと思ったのは、「もう涙は求めてないのかもしれない」ってこと。ホントにふとそのイメージが頭に降ってきたんだけど、知らず知らず、僕はsyrupに涙を求めていたところがあって、それは言い換えれば「感傷」とか「心の傷」とかそれに結びつくもろもろの事象、エピソードとかになるんだろうけれど、そういった要素をsyrupに求めていたことに気づいたいんです。そういったところを唄って欲しいって。

でもライヴ中にふと思ったのが、「もしかしたらもう違うのかも」ってことなんです。この日のライヴはもちろん新しいアルバムからの曲が多くて、そこでふと思い至ったのが、対象は過去じゃなくて今なんじゃないかということなんです。何のって、歌詞の世界観というか、闘ってる相手というか、その部分の対象が。歌詞の内容は、過去からの攻撃に苦しんでるんじゃなくて、今現在目の前の世界にどう立ち向かうかという、その部分にフォーカスが移ってるんじゃないかってことなんです。話をまとめると、僕もそうだということです。過去におびえるんじゃなくて、これからの世界―今現在、あるいは未来に、どう立ち向かうかという、その恐れや苦痛、苦悩というのが大きいということです(もちろん希望も持ちたい)。そういう意味で、もう「涙は求めていないのかもしれない」と、閃いたんです。だから、図らずも僕の心情というか心の状況もまた、syrupのネクストステージと共振しているのかもしれません。

だから感じることなのかもしれませんが、お客さん(いや俺もお客さんだけど)、おとなしすぎません? まあ今回は会場が会場だけに、仕方ないかってところはありますが・・・、にしても、新作からの「宇宙遊泳」とかすごくいい感じだったのに、ほとんど動きなしですよ。これ、もう、スタンディングのフロアがあるところでやった方が絶対よいと思います。もったいないですって。コンサートみたいなかしこまった調子が強すぎて、すごくよい演奏だったのに、エネルギーが一方通行っていうか、客席からステージにエネルギーが向かってないというか(名古屋はホント盛り上がりすごかったらしいジャン・・・うらやましいナ・・・)。考えてみたら、ここ最近の(ってもだいぶ前だけど)東京公演ではライヴハウスでやったのっていつだよ・・・って2007年のリキッドルームってマジかよ? 7年以上前(っても2008年解散だから間抜かせばそんなに昔でもないのか)。もうなんか、ホント、次はライヴハウスでやってみてもよいんじゃないですか! チケットとれなくても仕方ない! 行けた人が盛り上がれれば! あ、余計な話でこの日の僕はといえば、男女に挟まれていたわけですが、男の子→ノリノリ、女の子→泣いてる、というわけでまさに冷静と情熱の間(ちょっと違うがな)でバランスを取りつつ、ノーマルにノってました。あと家に帰ったら扇風機回りっぱなしだった・・・。

というわけで(どんなわけだ?)、ライヴはすんげーよかったです。最後に「**」か「**」やって欲しかったけどやらんかったなあ。それが心残り。そこだけです(新作からの曲はさすがにちょっとこなれてなかったけど、これからの発展に期待して)。すばらしかった!! 伝説と化した黄金の左足も拝めたしね(笑)。

僕のハートは非常に満たされました。もうしばらく音楽聴かなくても大丈夫かもしれません。ってそれは違うか。でもそんな心持にすらなる満足感に、今は支配されています。

ありがとうございます。


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・・・。

さて。

彼らが2004年10月10日、日比谷野外大音楽堂のライヴで、第一期を終了してから、僕がずっと言えずにいた言葉があります。

この言葉を、言える日がくるなんて、想像すらしてませんでした。

「犬が吠える」が終わってから、きっとこのまま終わりだって、そう思ってた。期待すらしてなかった。

だから、正直ちょっと忘れちゃってたのかもしれない。言いそびれてたけど。

この場を借りて。届かないかもしれないけど。



おかえりなさい。


ホントのホントに帰ってきたんだなって思って、また自分の生活に彼らが存在し始めるということに、不思議な気持ちすら感じています。



では、また。必ず会いに行きます。


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