ある夜


Nine Inch Nails(NIN)の新作『ADD VIOLENCE』がよさそうだ。

前作の『Not The Actual Events』はビックリするくらいPOPじゃなくてホントにビックリしたワタクシですが、今作からの「LESS THAN」を聴いて、重装備を脱ぎ捨ててファンを驚かせた『WITH TEETH』を―中でも「The Hand That Feeds」を―想起した。何となく聴いたようなフレーズもあったりするけれど、チープな音色と分厚いギターサウンドに緩急つけたボーカルスタイルは、確実に往年のNINに通じる音楽的カタルシス。「Discipline」にも近しい触感かもしれない。

先ほど公開された「THIS ISN'T THE PLACE」もダークでメランコリックなエレクトロニックサウンドで、これもやはり、これまでに披露されたNINらしさがあふれている。特にこのピアノのメロディの陰りは堪らない。実に「らしい」。

NINとしての新しい何か、というのはもうないのかもしれないけれど、変わらぬNINらしさがあるだけでよいんじゃないかなって、僕は思ったりもします。もう音楽作らなくても食ってけるんじゃないかな、なんて思ったりもするんですが、こうして新しいものを作って、しかもそれをきちんと届けてくれるってだけで、僕は本当にうれしいです。彼、トレント・レズナーは、間違いなく、僕の中でひとつの核になっているアーティスト、ミュージシャンなのです。

「ADD VIOLENCE DIGITAL EP + PHYSICAL COMPONENT」という形での発売は7月21日から。CDは9月1日から発売と、それぞれアナウンスされている。欲しい。こんなご時世だから手に入れなくても聴けてしまうんだけれど、これは持っておきたい。そんな気になった夜でした。




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