雪国と言っても吉幾三さんじゃなくってよ。東京を中心に活動するインディーロックバンドの雪国。
Kensei Ogataさんが関わっていることで気になって聴き始めたら、すごく、よかったんですね。昨年末あたりから聴いていて、グイグイきている。ライブはタイミングが合わなくてまだいけてないんだけど、必ず行きます。
現時点での最新作の『Lemuria』も良いんだけど、その前の『pothos』がホント好き。「ポトス」~「2つの朝」~「東京」の流れが至高。淡々と流れる日常(それは繰り返されるフレーズがそう思わせるのかもしれない)の中でゆれうごく感情を思わせる物静かな音像なんだけど、そこにある確かな(それはちょっとしたものかもしれないけれど)変化や、感情の高ぶりが、心地よいような、切ないような、ワタクシの心を動かすのです。
特に『pothos』に収められている楽曲には「雪国」というバンド名が非常にマッチしていると私は思っていて、雪が降った後のような、静謐で、シンシンとした空気感、その中に舞う白い吐息(それは規則的に)、のようなものが感ぜられて、私の心はすっかりいい旅夢気分、ではなくて、なんだかひとつの風景の中に飲み込まれた、否、包み込まれたような感覚になるのです(冷たいけれどどこか温かいというニュアンスです)。そして何かを思い出しそうになるのです。それはいつか見た映画のワンシーンかもしれないし、読んだ本の一節から想像された景色かもしれないし、あるいは私が実際に体験した何かかもしれない。そのつかめそうでつかめない感覚は、もどかしくも、だからこそ、魅力的、なのかもしれません。
ここから変化していくのか、だとすればどう変わっていくのか、気になります。ます!
雪国(Yukiguni) - 二つの朝〜東京〜海を忘れて - February 28,2024