なんかよく分かりませんが、格闘ゲームの背景画GIFが並んでいます。いいなあ。好きだなあ。ドット画。眺めながらボーっとしてます。
IdeaFixa » Hora de massagear seu cérebro: 50 fundos de games de luta
いくつか引用掲載。ブログの体裁の関係で小っちゃくなっちゃうけど。まあ気になる方は上記リンク先で!
拝啓 背景 敬具
Ayami Muto - 「宙」
Kai-Youの記事を読んでいたら、気になって仕方ない。武藤彩未(むとう・あやみ)。すでにクイック・ジャパンで特集が組まれたというところが悔しくもあるんだけれど、でもやっぱり僕が気になっているというのは正直な話です。彼女の経歴、プロフィールは置いておいて、僕が打ち抜かれたのは、ソロデビューアルバムに含まれている「宙」のMVを見た瞬間だ。
80sな正統派アイドルソングを彷彿させるメロディ・歌声・歌唱と、エッジの立ったエレクトロなサウンド(リズムは4つ打ちで)が融合して、まさに新しさと懐かしさが融合した特異なポップスがそこにあって、はじめにあった違和感はやがて新鮮さにとってかわり、気が付けばYouTubeで延々リピートしていた。
エレクトロかつJ-Popという括りかもしれないけど、中田ヤスタカさんがPerfumeの『JPN』なんかでやっていたこととは、またちょっと違う気がします。ライブ会場限定で、80年代のアイドルソングをカバーしたCD(タイトルは『DNA1980』!)を販売しているというところも、すごくポップですよね。Kai-Youの記事の引用になっちゃうけど、武藤さんには「私がソロアイドルの時代を作って、私が(グループアイドルの時代を)終わらせます」という発言もあるらしくて、なんという頼もしさ。アイドル云々とは違う部分で、シーンを突き抜けて、新しい何かを提示してくれるんじゃないかって、期待してしまいます。これはアイドルソングの最新版アップデートなのか、それとも。
とりあえず、この1曲しかまだ聴いていないんですが、ホントすごい好きです(アルバム、買いますか)。ほとんど笑顔をみせないこのMVもよいですね(目の表情が巧みで色んな意味でドキリとします)。サイバーかつ幻想的な映象作りもツボ。ハマってしまったなあ…。
Ayami Muto 「宙」 Music Video
ここから何かが始まるのか。確認したいデス。アルバムは4月23日。
ART-SCHOOLを聴いています
ART-SCHOOLの新しいアルバム『YOU』を聴いています。なんだかんだいって(なんだかんだというのは、リスナーの間でどうこう言われても、ということです)ほとんどの作品を手に入れてきています。僕なんかが言うまでもなく、彼らはずうっとずうっと同じことを唄ってきています。音作りはそのときどきで少しずつ変わるけれど、世界観は本当にゆるぎがない。いつかどっかで書いたかもしれないけど、ずうっと同じことを唄っているから、僕は彼らに疑いをもったこともあったんです。ある種のポーズっていうか、そんなニュアンスのものが、そこにあるんじゃないかって。でも彼らは度重なるメンバーチェンジを経ても、変わらずに突っ走り続けていて、当初からの世界観を保ち続けている。憑りつかれているといってもいいほどに。小説家や映画監督でも、切り口が変化しても、扱っているテーマ自体はずっと同じだという人が、ままいる。ART-SCHOOLの核である木下くんもそのタイプなんだろうと思います。
きのこ帝国の佐藤さんが『YOU』によせたメッセージが、僕の感想・感覚に近いように思いました。『まず、「YOU」という作品をいち早く聴けたこと、とても嬉しく誇らしく思います。本当に素晴らしく瑞々しいART-SCHOOLが詰まっていました。悲しさもあるけど、でも優しくて、美しい音世界のなかに、まるで10代の頃のような衝動を感じました。純粋に胸を打たれました。なぜこのような感覚の音が、未だ出てくるのかとても不思議だし、類をみないと改めて思いました。こんなART-SCHOOL、待ってた、って自分は思いました。反面、過去の文脈を必要としない作品だとも思ってます。単体で光る。ホントみんな聴いた方がいいと思います』。この『なぜこのような感覚の音が、未だ出てくるのかとても不思議だし、類をみないと改めて思いました』の部分です。やっぱりそう思いますよね。長いこと聴いていますが、本当に不思議で仕方ありません。
ライナーノーツにあった木下くんの言葉にも胸を打たれました。小野島大さんが「いい曲」の定義を問うたときに、こう応えています。『立体的であり、情景が浮かぶ音楽ですね。それから、何分かでもいいから、リスナーがラクになれたらいい。聴くことで目の前の景色が変わったりね。僕自身もソニック・ユースを聴いてしんどい気分が良くなったりするから。音楽のできることってそれくらいしかないんじゃないかな。衣食住とか、食欲性欲睡眠欲に一切関係ないものだから。でもそれで救われることもある。ラジオとかでちょっと流れて、いい曲だなあって、ちょっと気持ちよくなって風景が変わってくれれば。僕らはそのためだけにやってるようなものだから』。これもいつかどっかで書いたんだけど、僕は彼らの曲から喚起されるイメージが好きなのだということ。この聴き方を肯定してくれているような、木下くんの言葉に、勝手にうれしくなってしまいました。
そのイメージの喚起力ということでいくと、僕は『MISS WORLD』や『REQUIEM FOR INNOCENCE』、『SWAN SONG(DISC1)』、『PARADISE LOST』あたりが大好きなんです(曲単位ではもっと細かく好みがあります)。そんな中でも、今作にあるわりとメロウなトラックたちは、すごく、よいですね。「YOU」やラストの「Hate Songs」は特に好いています。木下くんの声は、明らかに初期よりやさしくなっているし、ヒリヒリとしたシャウトも、もうないに等しい(でも「YOU」の中でシャウトがあって、ちょっと懐かしい)ので、そういった美しいメロディの曲が、特に映えて聴こえるんじゃないかと思います。
アジカンのゴッチや、ラッパーの環ROYなど、外部ミュージシャンとのコラボレーションも面白いです(ゴッチは全編プロデュースじゃなかったんですねえ)。前アルバム『BABY ACID BABY』にいまいち納得できていなかった僕は、溜飲が下がりました(偉そうだなあ。スイマセン)。ART-SCHOOL、まだまだ走ってくれそうで、安心しました。
余談だけどリードトラックの「革命家は夢を観る」におけるラッパーの招聘には、どうしてもBase Ball Bearの「The Cut -feat. RHYMESTER-」なんかが重なります(ラッパーの呂布とチャットモンチーの福岡晃子を招いた「クチビル・ディテクティヴ」も思い出さないでもないけど、あれはちょっと方向が違います)。Base Ball Bearの方はもともとヒップホップに意識的だったから、ラップも見事にはまっているし、なおかつ開けていて、やっぱり彼らのセンスは「ポップ」だなあと改めて思いました。そんな余談。別にアートがどうこうということではないです。
エンヤサンを聴いています
エンヤサンの新しい作品『新宿駅出れない』が4月11日に発売されました。せっかくだからってことで、過去の作品もさかのぼって手に入れてみました。『▽』と、Y-クルーズ・エンヤの『しらくべくリゾート』。昨日から聴いています。まだ全然聴きこんでいるというレベルではないんですが、何がしか書きたくなってしまいました。
フリー作品だった『まさかサイドカーで来るなんて』は、しごくバランスの良い作品だったんだなあと思います。シリアスとユーモアがちょうどよく、混ざり合っていました。おいしいカフェオレのように。『新宿駅出れない』は、ちょっとまじめな印象。あとすごくポップ。オカザえもんをテーマにした「mono」だったり、ズバリ「新宿駅から出れない」様子を唄った「新宿駅出れない」は面白いです。僕の(ホントに)大好きな「あるく」も収録されている。すごく聴きやすいんだけど、全体的にはだいぶ落ち着いている。
そういう印象を持つのも『▽』や『しらくべくリゾート』がだいぶブッとんでいるからです。『▽』なんて雪男との会話から始まるんですよ! 「ウゴウゴ」いう声に、適当に相槌うってるんですが、最終的には「全然わからん」で締められちゃう、声だけの寸劇。音作りもダビーなリズムにやたら情熱的なギターソロ(音がエレキだ!)が入ってきたりして、なんだかただ事ではない。スペーシーなエレクトロニック空間に不思議なスポークン・ワードが広がっていく「さんぷんかん」、そこから鮮やかになだれ込むシティフレーバーなヒップ・ホップ&ポップス「NUDE~スペシャルな夜~」。そこからフッと力を抜いて、レゲエのリズムにサンシャインなメロディをのせた「Flyday」。そこからさらに翻って、星々が行進しているようなキラキラなポップス「am8:03」へ。このスタイルの多彩さ。カオティックという言葉すら使いたくなります。
ところがどっこいY-クルーズ・エンヤのソロ作『しらくべくリゾート』は、さらにディープなのです。というか、薄々感じていましたが、この作品はエロです。エロに満ちています。官能小説のように、それが宿命づけられているかのごとく、エロ。だって曲のタイトルがもう。「点が」とかあるわけですよ。「シンディ・コックス」とか。「挿入しよう」とか。使われてる言葉もかなり直接的なものもあったりして、なんなんですか、このハメはずしっぷりは。作りも面白くて、「シンディ・コックス」なんて、彼女のWikipediaを読み上げたりしてるでしょう、これは。「SWAG」もね、歌じゃなくて、これも電話口でのやりとりを模した寸劇なんだけど、すげえ笑ってしまった。「SWAG」ってラッパーが使うスラングみたいで、「すげえ」とか、そういう意味があるらしいんです。で、電話口の向こうで、彼女がどうもその言葉を頻繁に使うらしいんですね。それに対してこっちが問うわけですよ、「何SWAGって? なにそれ? おかしくね?」って。怒るわけですよ。「前から薄々思ってたけど…」と切り出し、「ラッパーと浮気してる?」って(笑)。「メールでもちょいちょい韻踏んでるし」って(笑)。なんなんだよこのトラック! しかもシチュエーションが動物園って、なんで(笑)。ということで、全編通して、相当にディープ、ドープ、サイケデリックな一品で、めまいがしそうなほどなんです。
だから、これらを通過したあとで、『新宿駅出れない』を聴くと、すごく落ち着いて聴こえるんです(ナイフを隠し持ってニヤリと笑ってるみたいな不敵さも感じますが)。でも発売前の4月10日、YouTubeをつうじてその名も「発売前夜」なんていう、シューゲイズなトラックを披露していたりして、やっぱり得体が知れません! 全体像をつかめるのは、いったい、いつになるのか…。とりあえず、気になる方は買いましょう!
エンヤサン 『410~発売前夜~』 Pro.by YAV(MADSOMA)
【MV】 エンヤサン 『きれいごと』
[PV] Y-クルーズ・エンヤ - Special Thanks
この「Special Thanks」はAV女優名オンパレード!トラック担当はあの食品まつりだぜ!
どうですか。気になっちゃってたまんなくないですか。フフフ。
NIN JAPAN TOUR 2014 - 2.26
というわけで二日目!
結論からいうと、僕は二日目の方がよかったです。一日目が点付けるなら95点で「ああもうお腹いっぱいだし、二日目どうしようかなあ」なんて思いもちょっとはあったんですが、二日目はまさかの120点でした。
なんでかって考えると、一日目はやっぱり比べてみると、ウォーミングアップ的な感じも確かにあったんですよ。オーバーヒート気味っていうか。空回りしそうな危うさっていうか。それが二日目はなくなっていて(あるいは軽減されていて)、バンドの熱量とフロアの熱量ががっぷり四つに組んだ感じだったんです。そのケミストリーに気おされて、二回くらいですかね、ホントに思わず泣きそうになりました(「Terrible Lie」や「Reptile」で眼がジンジンしてたのは何を隠そうワタクシです。って誰も気づいてねーよな)。
***
事前に宣言していた?とおり、セットリストをガラリと変えてきた二日目。なんと新作『ヘジテイション・マークス』からはついに一曲も演奏されず! 思い切りましたねー。一曲もやらないってのもすごいなあ。代わりに一日目にはまったくやらなかった『FRAGILE』や『THE SLIP』(!)、そして『GHOSTS Ⅰ-Ⅳ』(!)から、緩急を織り交ぜた、すばらしいセットリストでした(まあ僕が一日目を見ているからそう思うだけかもしれないです。この日だけの人は物足りなかったかもしれませんが)。そしてもうツイッターで駆け巡っている情報ですが、トレントの妻であるマリクィーンがゲストとして登場(これは驚いた。事前にこれを予測していた人はいるだろうか)! その後、彼女とトレント、アティカス・ロスのプロジェクトであるHow To Destroy Angels(HtDA)の曲をカヴァー(本人がいるのにカヴァーってのもおかしいけど、NINとしてHtDAの曲を演ったわけだから、やっぱりカヴァーっていうのが適当なのだと思う)。
***
アレさんの前座で演奏されたトラックは一日目と同じで、そこから「Somewhat Damaged」にスムースに移行(やっぱりメンバーはフラッと現れた)。このトラックって初めて聴いたとき相当ヘンテコな印象があったんだけど、もうこの十何年かの間にすっかりストレンジな感じは自分の中でなくなっていて、「懐かしい」トラックに様変わりしていた。でも初来日の頭(二曲目)、この曲だったのかあ。はあ、そこは覚えてなかった。『フラジャイル』の曲ってやっぱりあのぶっとい感じが印象的で、あの独特の硬さと重さはすごい好き。『THE DOWNWARD SPIRAL』(TDS)のささくれ立った、暴力的、背徳的な重さとはまた違っていて、すごく重いパンチ、みたいな。一音一音の主張が強くて、音が発せられるたびに、頭が揺れるみたいな。この重さを一発目に持ってくる辺り、すでに一日目とはモードが違うことの表れだったのかもしれない。
続いて「1,000,000」、「Letting You」と、『THE SLIP』から演奏するんだけど、シンプルなくせにやたらカッコいい。『THE SLIP』ってわりとガレージライクな、荒々しい肉体性、みたいな雰囲気があるけれど、それがそのままステージ上に現れていて、しかもそれは当たり前だけどNINのサウンドになっていて、流れの中に違和感なく埋め込まれている。フロアの反応も一日目とは違って格段によくて、次の「Terrible Lie」ではもうダイバーが出ていた記憶。明らかに熱量が異なっている。
その熱量の違いが伝わったのか、「March of the Pigs」を挟んだ「Piggy」では、トレントはステージ上からフロアにマイクを向けた。巻き起こる「nothing can stop me now」の大合唱。いやこの一体感。たまらん。やっぱり単純にトレントのルックスだけ見ても、『クロージャー』に収録されているライヴ映像とか、Woodstock '94 の頃の内向性っていうのはなくなっていて、彼は青白いモヤシっ子からムキムキマッチョマンに変貌を遂げ、それと合わせてパフォーマンス自体も健康的、健全なものになったように思うんですけれど(どっちがどうとかは言えない)、このフロアとの幸せな一体感っていうんですかね、これは今のNINでなければ出せない感覚でしょう。
『TDS』から『FRAGILE』の間にあったトレントの変化っていうのは、当時のファンにはけっこう衝撃的でした。BUZZの2000年3月号に載っていた、当時のキーボーディスト、チャーリー・クラウザーの言葉が忘れられない。TDSに伴うツアーの後、トレントに起きた変化を彼はこう伝えていた―
『トレントはなんと毎朝、
体鍛えて走ってジムに行くようになったんだ。
俺、あんなことが起こるとは夢にも思ってなかったね(笑)。
他のみんなも、
一緒に旅行してマウンテンバイクに乗ったりしてさ』(P.82)
―その変化が、今につながっていることは、言うまでもないでしょう。
(実際は『FRAGILE』の時点では、まだ精神的暗闇を抜け出せていなかったようですが)。
***
僕みたいに、だんだん離れていっているファンの人もいると思います(いや、でもファンですよ)。それとは逆に、新しくファンになる人も増えているんじゃないかって、今回ライヴを観に行って、そう感じました。ちょっと興味があって「観に行ってみっか」的なノリだった人は、きっとファンになっちゃったんじゃないかなあ、そう思う。この二日目の帰り道、僕の耳にはすごく(マジですごく、だ)、好意的な意見しか聞こえてこなかった。
中盤の「The Frail」~「The Wretched」っていう、この日の静的パートは、バランスがすごくよい。ピアノ主体の小品「The Frail」が何に結びつくのかというドキドキ感、緊張感、それを静かに力強く開放する「The Wretched」のイントロ。続く「Vessel」が始まった時の、このビーム光線みたいなサウンドのカッコよさ。しびれる。かなりヘンテコなサウンドだと思うんだけど、この求心力! アレさんはさりげなくバチ?スティック?で何か叩いて金属的な冷たい音を演出している。終盤~アウトロで、アレさんが作り出すノイズとトレントの作りだすBleepyな電子音の絡みが、たっぷり続いたんだけど、あんなノイジーな絡みでもグルーヴを出してくるってのが、またカッコいい。あのパート、もっと聴きたかった。
この日も本編終盤は怒涛のように駆け抜けたんだけど、中に一曲、『GHOSTS Ⅰ-Ⅳ』からの曲「31 Ghosts IV」が入っていたのが特記事項。でも僕はまったく曲を覚えてなくて、こりゃあ新しいインストか何かと思ってしまったんだけど、あとでゴースト収録曲と聴いて、「あんなバキバキしたカッコいい曲あったけなあ」とアルバムをひっくり返した次第です。そしたらちゃんとありました。今改めて音源を聴くと見事にNIN印の素敵な曲で、なんでこれを覚えてないんだ自分と、はずかしくなってしまった。
僕は最後の「Hurt」までが本編かと思ってたんだけど、公式には「Head Like a Hole」までで、それ以降はアンコール扱いだったみたいです。「Head Like a Hole」のあとにトレントはけっこう長いことしゃべったけど、あんま聞き取れなかったな。まあ言われているように、「昨日も来た人はいる?」or「今日初めて来た人?」って聞いてたとこくらいはなんとなく分かりました。フロアの前の方を指して「この辺は昨日も見た顔があるな」ってちょっと面白そうに言ってたのが印象的。もっとこのフレンドリートーク聞きたかったけど、時間の都合もあるんでしょうね、そうそうにライヴは進行。ゲストが招き入れられました。それがトレントの妻、マリクィーン。思わず「おぉ!」と言ってしまった。
「Ice Age」と「BBB」を演奏してくれたんだけど、どちらも決して代表曲という感じではないんですよね(「BBB」なんて初作のEPにしか入ってないと思う)。僕の中では。そこが面白くもあったんだけど、ちょっと残念でもあり。やっぱり「How long?」や「The Space In Between」、「Keep it together」が聴きたかったなあ。曲はもちろんトレントが関わっているので、彼らしいものでしかないんだけど、マリクィーンがメインボーカルを取るだけで、 曲の印象はだいぶNINとは異なります。より静的な方向に傾くというのと、Ambientiveな聴き心地になります。夜っぽいとでもいえばいいのかな(「Ice Age」のライティングは素敵でした。深く青いライトが縦横にゆっくり動いて、深海のようなイメージだった)。曲調はNINみたいにメリハリをつけたパンチのある構造ではないので、そのことも関係していると思います。
NINのライヴでHtDAの曲が聴けるとは思わなかったし、それだけにフロアの反応が気になったんですが、僕が感じた限りは好意的な受け入れ方でした。歓声もあがったし、拍手もあったし、みなさんしっかり耳を傾けている印象だった。トレントがわき役に徹する、もしくはステージにいないという、そんなNINのライヴ自体がレアすぎて、そのことにも興奮してしまった。しかもこのスペシャルな演出はこの二日目にしか行われなかった様子! 僕がいけなかった三日目にはもっとすげえことやるんじゃないかって思ってたんだけど、特別なことはやらなかったみたいです(最終曲が「Head Like a Hole」だったってのは良いと思う。やっぱり盛り上がって終わりたいデスもんね)。
で、「BBB」が終わったら、妻の肩を抱いてラヴなオーラを出しながら、ステージからはけていったトレント、戻ってきて「サンキュー」と一言述べた後、「Hurt」を唄うっていうね(笑)。シチュエーション的にぜんぜん合ってないんですけど!!っていう。そういう隙っていうか、突っ込みどころがあるのも、またトレントの魅力なんじゃないかって思う。昔スタジオでの写真だったかな、うしろのキーボードかなんかにかけられたタオルの柄がダサすぎるってツッコミを食らっていたことを思い出しました(緑と黒のボーダーだった気がしますが、定かではありません)。
今回のライヴでは三日間を通じて「Closer」をやらなかったことが意外でしたが、これはやっぱり「All Time Low」がそれに取って代わってるってことなんでしょうね。だから「All Time Low」の終盤には「Closer」の断片を取り込んだり、しているんでしょう。僕の中では「Only」が第二の「Closer」だと思ってたんですが、違ったんかなあ。でも「Closer」は「Closer」だから、やっぱりやって欲しかったなあ。
というわけで、個人的には今まで見たNINのライヴでは、この2014年2月26日のスタジオ新木場コーストがベストでした(もちろんみなさま、それぞれ意見があるかとは思いますが)! ライヴアクトとしての、NINのすごさはいまだ健在でした。曲の良さと、音の良さと、演出(今回の場合ライティング)の良さ、これらが高いレベルで結びついて生まれるこのエネルギーったら。揺さぶられずにいる人の方が少ないでしょう。すごい! トレントもオッチャンだけど、まだまだ走ってほしい。また絶対観に行きますよ。ありがとうございました!!
公式ツイッタ―に上がったこの日の写真を以下に―

うひょー!
おしまい。
この日のセットリストはこちら。
NIN JAPAN TOUR 2014 - 2.25
まるで図ったように、七年ぶり。NINの単独来日公演。
彼らが初めて日本の地を踏んだのは、2000年。
その次が2007年。
そして今回、2014年。
幸運にも僕はすべて見てこれたんだけど(フェスは一回も見てないですけどね)、初めて見てから14年…。感慨深いです。
整理番号はわりと前の方だったんだけど(というかコーストはあまり整理番号関係ないですよね、行こうと思えば、かなり前まで突っ込んでいける)、体力的なことも考えて、ちょっと後ろにさがってみてました。他の理由としては、NINと自分の間にちょっと距離が空いていたから、ということもあるでしょう。新しいアルバムだって、数えるほどしか聴いていなかったし、昔は彼トレントが(プロデュースなり曲提供なりで)関わったサントラはほとんどすべてチェック、購入していたのに、近年の『鉄男 THE BULLET MAN』, 『ソーシャル・ネットワーク』や『ドラゴン・タトゥーの女』は、まったくといって言いほど、チェックしていなかったんです。今回のライヴメンバーもうろ覚え、たしかロビン・フィンクいたよなあ、あれ、アレッサンドロ・コルティニは?どうだっけ?みたいな始末。そんなこんなで、前回はフロア中ほどでシンガロングだった僕は、今回一歩退いて、おとなしく見るのが相応しいような、そんな気分だったんです。
一応今回の日本ツアーのメンバーは―
Trent Reznor, Robin Finck, Alessandro Cortini, Ilan Rubin
―この4名(合ってるはず)。フジ・ロック2013の時は、ベーシストとしてPino Palladinoがいたようですが、今回は外れている様子。
そして単独でも活動しているキーボーディスト、アレッサンドロ・コルティニ(以下アレさん)は今回の来日で前座も務めています。
***
きっちり19時くらいに客電が消えて、バックの青いライトが強くなり始めた。
現れたアレさんはステージ中央でしゃがんで、機材をいじるわけですが、これがAmbient/Drone調のトラックなもんで、なかなか、ねえ、アレですよねえ。NIN好きな人はこういう曲も受け入れられるだろうけれど、でもNINを待ってる状態で、この起伏に乏しい、リズムのない、電子音の波はいささか厳しかったかもしれません。多少アグレッシヴな鳴りがあったので(でもアレで手拍子するのは違うと思いますなあ)、音楽的に引きつける部分はありましたが、完全にAmbient/Droneだったら、よくも悪くも異世界に突入していたでしょう。このアレさんの前座は2トラックで終了。ノイジーな波を放射したまま、彼はその場を去っていきました。
このアレさんのプレイから本編のNINにつながることを予想していた人もいますが、まさにその通り、ここから間髪入れずに、フラッとNINメンバーがステージに現れて、トレントはフロア中央でキーボードをプレイ! さりげなさすぎる登場だよ! この登場の部分は前回の方が断然カッコよかったと思います! トレントは前回ひげのモッサリ姿だったんだけど、今回はちゃんと剃ってる(笑)。衣装もなんか帷子みたいな(?なんていうのアレ?)、股の部分にペロンと前掛けみたいのがついてるスタイル(スマパンのビリーみたいな。あそこまでガッチリじゃないけど)で、ちょっぴり気が使われている感じがしました。
で、1曲目がまさかの(これを予想できた人がいるだろうか)「me I'm not」! しかもこの時点で楽器を演奏しているメンバーが一人もいない(笑)。4人ステージにいるのに、みんなシンセかなんかよく分からないけれど、機材を操作しているという、なんとも面白い光景。でも前回のコーストを振り返ってみたら、「me I'm not」も演奏はしているんだな。トレントはこの曲好きなんだろか。
序盤からフルスロットルというよりは、こんな曲から始めるあたり、徐々に盛り上がりを作っていくパターン?とか思っていたら! 次が「Survivalism」だった! 決して唄いやすいという曲ではないんだけれど、このアグレッシヴなテンション、畳み掛けるようなリズムに会場は一気にヒートアップ。トレントのヘッドバンギング気味の歌唱と、強烈なライトアップ(ホント強烈)も手伝って、いよいよライヴ始まった感が半端なく高まった瞬間。
ホント序盤からすげー飛ばしまくりでニヤニヤしちゃったんだけど(トレントを生で見ているせいもモチロンあります)、次が「Terrible Lie」! このナタでぶった切るみたいなカタルシス満点の「hey God」のフレーズ(会場は大合唱です)。トレントのどこかセクシャルな歌唱が醸す肉体性。実に絶妙なアクセントになっている電子音のフレーズ。なんというパーフェクト感! すげーカッコいいのと気持ち良いのとで、3曲目でいきなりコレかよ!あとどうすんだよ!ってちょっと心配しちゃったけど、余計なお世話でした。
そうそう、このあとの(これがまた畳み掛けるような「えええ、飛ばすなあ!」って笑っちゃったんだけど)「March Of The Pigs」, 「Piggy」を見てて思ったんだけど、ドラムのIlan Rubinが、今回のライヴの個人的肝。Josh Freeseの引き締まったタイトなドラムも好きだったけど、このIlan Rubinのドラムが実にパワフルで、ライヴ映えする。プレイ自体、モーションが大きくて、見てるこっちも気持ちが高ぶってくるような、そんなスタイル。一打一打が耳をバシバシと打つんですよ。「Piggy」の後半のドラムとか、しびれましたね。あ、ちなみに今回はトレントは「Piggy」でステージ降りてきませんでした。またお客に歌わせるかと密かに期待したんだけど…。
***
この辺りからが、ちょっとクールダウンの部になるんですかね。トライバルに進化した「Sanctified」や、新作からの「Disappointed」(スピード感あってカッコよかった), 「Came Back Haunted」, 「Find My Way」を立て続けに披露。
最近のライヴでNINがスクリーン使っているのか知らないんですけど、今回の来日では(それを言えば前回も)使用せず。その分ライティングに力が入っていたような印象です(もちろんアメリカのシャッターみたいなのとはまた違いますけど)。前回のコーストではそんなにライティングが印象に残っていないので、これはやはり今回目立っていた演出なんだと思います。ライトのパターンや色、動き、光の出し方、トラックごとにさまざまに使い分けられていました。「Came Back Haunted」のときは、ステージ後ろの壁に埋め込まれたライト(複数)が、水平方向に回転しながら会場をグルグルと照らして回るような演出だったんですが、どう見てても一定のタイミングでライトの光が目の前を通過してくもんだから、ステージを正視できず(笑)。というのが強烈に記憶に残っています。あとは、その「Came Back Haunted」、やはりPOPだなあと思いました。新作の中ではダントツだと思いますが、ライヴだとさらによく分かります。サビが一緒に歌えますもの。新作の中では会場がもっとも盛り上がったのはこの「Came Back Haunted」でした。
やっぱりNIN、というかトレントは静と動の使い分けが巧みだなあと感じたのが、次の「Reptile」。冒頭の機械の駆動音のような効果音から、一気に振り下ろされるディストーションギター、あわせて放射される光線。このハンマーでガツンと殴られたような(いや殴られたことないけど)、すさまじい衝撃たるや。また曲中にある、奇妙な、バイオレンスとは離れた、黄昏た瞬間が、吸引力を発揮する。暴力の果ての虚無のような、心地よい空洞。その虚脱感のようなものは、セクシャルでもあり、僕が昔のNINに感じているエロさは、そのあたりに起因するのだと思う。そんな時化(しけ)と凪(なぎ)をひとつの曲の中で絶妙にコントロールすることで生み出されるカタルシスというやつが、NINのひとつの魅力であることを、この「Reptile」で改めて実感しました。
「Reptile」に続いた「Beside You In Time」はちょっと唐突感があったんだけど、意外にフロアは好意的に受け入れていて、逆に僕が疎外感を感じてしまった(笑)。でもこの曲はやはりあのすばらしい視覚エフェクトと共に見てみたいなあ! というか見たかったなあ! あのトレントがマイクスタンド振りかざすとスクリーンに映った映像が粉々に砕けていくやつ…。あれのイメージが強すぎます。そしてこのあとが通称「コピオバ」こと「Copy Of A」! やっぱりNINに求められているのは、こういったダンサブルなリズムに、キャッチ―なメロディを合わせたウタモノなのかなあって思います。フロアも確実にノリのよい曲を求めてますよね(当たり前といえば当たり前ですが)。そういった欲求を知ってか知らずか、POP度高めのセットリストで来てくれましたけれど、個人的にはもっと静のパートをガッツリぶちこんできても良かったと思います。というか僕が見たかっただけですが。「La Mer」とか「Eraser」とか、「In This Twlight」、「Right Where It Belongs」などなど。でもああいうのはやっぱりスクリーン使って演りたいのかなあ。
静のパート云々というのはですね、終盤ちょっと駆け足過ぎる印象があったんです。新作からエレクトロなファンク「All Time Low」をやって(ラストにちょろっと「Closer」を絡めてきてドキリとしました)、ここから最後までがもう連打連打ですよ。「Gave Up」, 「The Hand That Feeds」, 「Only」, 「Wish」, 「Head Like A Hole」, 「Hurt」っていう。そりゃあもう盛り上がりはすごくて、「Only」で一回落ち着く感じではあったけれど、「The Hand That Feeds」や「Head Like A Hole」はこの日のマックスだったんじゃないですかね。お決まりのハンドクラップが会場中で行われたことはもちろん、タオルやペットボトルが宙を飛んで行ったり、フロアから突き上げられた拳の数も気持ち悪いくらいで、ちょっと後ろからみていて圧巻でした。でもですね、やっぱりちょっと性急すぎる感じがあって、ここまでキチキチに詰め込まなくても、間に何か毛色の違うトラック挟んでもよいんじゃないかなってチラッと思ったのが事実。「Gave Up」と「Wish」はどっちかでよかったと思うし、もっというなら、「The Hand That Feeds」~「Head Like A Hole」~「Hurt」っていう、この辺の定型化している流れを崩してほしかった。まあ別の日には変わるのかもしれないけれど。
あと「Hurt」でのフロア側のリアクション、あの曲中にみんなでライターを掲げるというやつは、今回は実現されなかった模様。試みた人はいるみたいですが、会場側がダメ出しをしていたようですね。前回のコーストでは見事実現していたんですが。でもやっぱり危険ですからね。仕方ないです。
ということで、あっさりタイトに終了。猛ダッシュで目の前を駆け抜けていったような。でも僕は満腹です。正直ちょっと受け止めきれていないくらいです。アハハ。瞬間的にして濃厚という。
***
フジロックを見た人は、なんとなく物足りなさそうな意見が目立ちますが、僕は今回のライヴ、すごい良かったと思います。曲数とか曲目とか言い出したらキリがないけれど、パフォーマンス自体は素晴らしかったです。音も良かったし、声もしっかり出てたし。メンバーそれぞれが曲によって楽器をもちかえて演奏するマルチプレイヤーっぷりが目立ちましたね。テクニック的な部分はよく分からないけれど、あの臨機応変ぶりで、ここまでのパフォーマンスを見せるバンドもなかなかいないような気がします。
あとはトレントの動物的な動きも今回は印象に残りました。頭の中にある曲のイメージ、その動き(あるいは流れというか)に合わせて体を動かしているんでしょうけれど、始終動きっぱなし。前にNINのライヴ動画を見た知人が「あんなに動く人だと思わなかったよ」って言ってましたが、今回もまさに「動く人」でした。もう決して若くないのに、あれだけ動きつつ、渾身のパフォーマンスを見せるトレントの体力は相当なもんでしょう。エンターテイナーって言っちゃうとちょっと違うかもだけど、でも曲にしろパフォーマンスにしろ、刺激的なことをやりつつも、根っこに強い大衆性というか普遍性があるんだと思います。だからここまで大きなバンドになって、成功しているんじゃないかと思います。
ああ、なんかもっと書けることあった気がするんだけど。昔はもっと偏執的なレポートを書いてた気がするんですが、すっかりタッチが変わってしまいました。単純に興味の問題かもしれません。きっとそうでしょう。あ、グッズは買いませんでした。だって黒と白?のいかにもNINってやつしかないんだもんなあ。「Fragile」のときのTシャツとかないのかなあ。着倒してヨレヨレになったまま段ボールの中で眠ってますん。夏はこっそり寝るとき着てます。
***
さて、以上はまだ一日目。今回は二日目も行くんです。そちらはまた後日。
オフィシャルのツイッタ―に上がったこの日の写真を以下に。なんと日本語で「素晴らしいショウだった!ありがとう!」の言葉もあります。こちらこそありがとう!

あ、ライターの有島博志さんのツイッタ―にあがったトレントの写真がオッサン過ぎて逆に微笑ましいデス(笑)。なんかかわいい。
おしまい。
この日のセットリストはこちら!