syrup16g tour 2016「HAIKAI」 - 2016/12/15@Zepp Tokyo


どうせみなさん観てらっしゃったんでしょう? ニコニコ生放送を!

だから今夜も箇条書き。過剰。

あとセットリスト

・セットリストの特別感はこの日が上だったけれど(「生活」とか「パープルムカデ」とか)、その構成が響いたのか、お客の盛り上がりは前日の方がよかった。フロアの飲み込まれ方が全然違う。あえてなのかもしれないけれど「Drawn the light」でちょっとトーンダウンしちゃったような。やはりあそこは「天才」で攻めてほしかった。「手首」でもいいかもと思ったけれど、やっぱ違うか。

・本編最後に「Rookie Yankee」を持ってきたので、ちょっと意表を突かれた。攻めてるモードでライブを、ツアーを、締めたかったのかもしれない。だから「Reborn」もないし「翌日」もないし。今までにもあったパターン。いいね。

・「Father's Day」と「正常」は同じセットリストに入れない方が良いと思い至る。魅力を相殺してしまう気がする。

・「Find the answer」、「Father's Day」でポロポロと歌詞をつかみ損なう五十嵐氏。

・「タクシードライバー・ブラインドネス」の直後「鼻かみたい!」と大声で願う五十嵐氏。フロアから「かんで!」、「いいよ!」と許可をもらう。ほほえましいやり取り。

・「I'll be there」。顎をわずかにあげて首を傾けて歌う五十嵐氏にスポットが当たると、なんだか神々しい。昨日に引き続き、今日はここで「死にそう感」を見る。

・「遊体離脱」がちょっと精彩を欠いていたような。ギャーンといきそうでいかない曲なので、ライブではトーンというかテンションの落としどころが難しいのかもしれない。

・ギターのキンキン感は軽減されていたけれど、代わりにベースがシュゥーンとした変な残響音を出していて、途中気になって仕方なかった。

・明らかに終盤は疲れてる感が出てて、それでもその中で渾身のライブを見せてくれて、すごく嬉しかった。「リアル」で僕は終わると思ってて、歌詞の「お前にこの一生捧げよう/必要なくなって 見捨てられるまで」の「お前」が「音楽」に思えて、急に感情のスイッチが入ってしまった。たとえこの瞬間だけだとしても、そこにはリアルがあったし、それに僕は突然に胸を打たれて、自分でも分けのわからぬままに、涙腺が緩む。なんで「リアル」でだよ?と自分の心ながらまるでコントロール不能。でも「リアル」で終わると思ったらまた出てきてくれてうれしい悲鳴。もう何でもいいよ!って思ってとにかく嬉しくて(きっと嬉しいんだと思う)、ちょっと泣く。

「『darc』っていうの出したんだけど、うーん、これ、どうなん…だろ…」と頭をかきまわしながら悩む五十嵐氏。この物言いが五十嵐隆だなあと思う。「年刊俺、みたいな、俺レポートみたいな形でお届けしてるけど(場内笑う)、今回はツアーもまわれて、お得だったと思うし…」「もうちょっと、聴いてやってください」「来年も出す、かもしれないけど(場内おおいに沸く!期待してます!)、それまで、味がしなくなるまで□◎×▽■◆」。『darc』について「どうなんだろ」ってのは自信がないということではなくて、説明しづらかったんだろうね、違うかな、そして出てきた言葉が年刊「俺」っていう(これから散々使われるぞこのワードは!)。こんな公衆の面前でニコ生だって通じてるのに「来年出すかも」って言っちゃうのがすごいなあ(なんか見えてるものがあるのかな)。わざと追い込んでるんじゃないかって心配してしまいますよ。それは新しい曲は聴きたいけれど、生き急いで息切れして欲しくはない(一時期メジャーにいたときがそのイメージ)。

・Zepp Tokyoが遠い…。乗り換えを使って時間短縮で帰るはずがボンヤリしてたら(寝てたわけではない)、乗り過ごしてストレートに帰る羽目になって、寄り道しないでまっすぐ帰ったのに日付変わりそう。ってことはまあどうでもいいんですよ。ツアーお疲れ様でした。ありがとうございました。またお会いできる日まで。『darc』を聴いています。いやそれ以外も。やっぱ『darc』いいアルバムだよ! 断言する。


・もうね、単純に、カッコいい。間違いない。カッコいい。こんなに世界観が強くて(年刊『俺』というくらいに『俺』の世界)、こんなにカッコいいなんて、最高にロックじゃないか。


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ここからは1日たってから書いてます。

見事に『darc』が鳴りやまない。頭の中でずっと回ってる。特に「Murder you know」が強い。何かっていうとひょっこり顔を出して頭の中を占領する。

ライブ観た人、頭の中が『darc』になってないですかね。僕だけかな。ライブが終わってからこっち、あのアルバムが異常な(ホントに異常な)強度で(ライブ参戦前よりも)輝きだしています。それこそずっと繰り返して聴いている。

ライブの触感に非常に近しいアルバムなのではないかと思う。ライブと音源の距離が近いというか。生々しいという感想も書いたけれど、その部分がやっぱりライブと重なる。自分の中で。聴いていると、ライブの映像がものすごい勢いでフラッシュバックしてくる。面白いくらいに。隙があるボーカルの感じとか、ドカドカしたリズムに、金属的なギター、ダイナミックな音像。悪い意味じゃなくて、いい意味で、『darc』というアルバムが、あのライブでは再現されていて、それが立体的に包み込んできたのだと思う。そしてすんなりと心の中に居座っている。そして聴くたびに、あの空間が、ステージが、脳裏に立ち上がってくる。そんな感覚。ほかの作品に伴うライブでこんな感覚になったことはない。すごく自分でも不思議。

もしかして―まだもしかしてという感覚なのだけれど―、『darc』ってすごいアルバムなんじゃないか、そんな気がしている。うすうすと。





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