エンヤサンを聴いています

エンヤサンの新しい作品『新宿駅出れない』が4月11日に発売されました。せっかくだからってことで、過去の作品もさかのぼって手に入れてみました。『▽』と、Y-クルーズ・エンヤの『しらくべくリゾート』。昨日から聴いています。まだ全然聴きこんでいるというレベルではないんですが、何がしか書きたくなってしまいました。

フリー作品だった『まさかサイドカーで来るなんて』は、しごくバランスの良い作品だったんだなあと思います。シリアスとユーモアがちょうどよく、混ざり合っていました。おいしいカフェオレのように。『新宿駅出れない』は、ちょっとまじめな印象。あとすごくポップ。オカザえもんをテーマにした「mono」だったり、ズバリ「新宿駅から出れない」様子を唄った「新宿駅出れない」は面白いです。僕の(ホントに)大好きな「あるく」も収録されている。すごく聴きやすいんだけど、全体的にはだいぶ落ち着いている。

そういう印象を持つのも『▽』や『しらくべくリゾート』がだいぶブッとんでいるからです。『▽』なんて雪男との会話から始まるんですよ! 「ウゴウゴ」いう声に、適当に相槌うってるんですが、最終的には「全然わからん」で締められちゃう、声だけの寸劇。音作りもダビーなリズムにやたら情熱的なギターソロ(音がエレキだ!)が入ってきたりして、なんだかただ事ではない。スペーシーなエレクトロニック空間に不思議なスポークン・ワードが広がっていく「さんぷんかん」、そこから鮮やかになだれ込むシティフレーバーなヒップ・ホップ&ポップス「NUDE~スペシャルな夜~」。そこからフッと力を抜いて、レゲエのリズムにサンシャインなメロディをのせた「Flyday」。そこからさらに翻って、星々が行進しているようなキラキラなポップス「am8:03」へ。このスタイルの多彩さ。カオティックという言葉すら使いたくなります。

ところがどっこいY-クルーズ・エンヤのソロ作『しらくべくリゾート』は、さらにディープなのです。というか、薄々感じていましたが、この作品はエロです。エロに満ちています。官能小説のように、それが宿命づけられているかのごとく、エロ。だって曲のタイトルがもう。「点が」とかあるわけですよ。「シンディ・コックス」とか。「挿入しよう」とか。使われてる言葉もかなり直接的なものもあったりして、なんなんですか、このハメはずしっぷりは。作りも面白くて、「シンディ・コックス」なんて、彼女のWikipediaを読み上げたりしてるでしょう、これは。「SWAG」もね、歌じゃなくて、これも電話口でのやりとりを模した寸劇なんだけど、すげえ笑ってしまった。「SWAG」ってラッパーが使うスラングみたいで、「すげえ」とか、そういう意味があるらしいんです。で、電話口の向こうで、彼女がどうもその言葉を頻繁に使うらしいんですね。それに対してこっちが問うわけですよ、「何SWAGって? なにそれ? おかしくね?」って。怒るわけですよ。「前から薄々思ってたけど…」と切り出し、「ラッパーと浮気してる?」って(笑)。「メールでもちょいちょい韻踏んでるし」って(笑)。なんなんだよこのトラック! しかもシチュエーションが動物園って、なんで(笑)。ということで、全編通して、相当にディープ、ドープ、サイケデリックな一品で、めまいがしそうなほどなんです。

だから、これらを通過したあとで、『新宿駅出れない』を聴くと、すごく落ち着いて聴こえるんです(ナイフを隠し持ってニヤリと笑ってるみたいな不敵さも感じますが)。でも発売前の4月10日、YouTubeをつうじてその名も「発売前夜」なんていう、シューゲイズなトラックを披露していたりして、やっぱり得体が知れません! 全体像をつかめるのは、いったい、いつになるのか…。とりあえず、気になる方は買いましょう!


エンヤサン 『410~発売前夜~』 Pro.by YAV(MADSOMA)




【MV】 エンヤサン 『きれいごと』




[PV] Y-クルーズ・エンヤ - Special Thanks

この「Special Thanks」はAV女優名オンパレード!トラック担当はあの食品まつりだぜ!

どうですか。気になっちゃってたまんなくないですか。フフフ。

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