日々


最近故あって『生還』をよく観るのだけれど、ご存知の方はいるか分からないが、僕はあのライブをリアルタイムで観ていたときは前半はひどく憤っていたのですが、今観なおすと鼻血出るくらい(実際には出ない)よいライブですね。僕が見たことある中ではベストパフォーマンスではあるまいか。

アンコールの「翌日(オリジナル ver.)」がひたすらに良くて、聴くたびに泣いている(これは今のところ本当だ)。syrup16gがこれから始まるという時期の―つまりスタート地点ともいえる―楽曲に、その時点の五十嵐さんの心情を刻み付けたその歌は、その瞬間にしか存在しえない奇跡的な光を放っていて、もちろんそこには迷いがあって、実際光なんて見えていないんだけど、とてもとても美しくて、僕は聴くたびに、胸がいっぱいになる。


「信号から 赤信号が消えた後の世界 にいる
気にされない 息してない それは おなじこと

自暴自棄になって生きても 音楽を愛せなくなっても
身代わりの 影に わずかな希望を忍ばせた

孤高という名の幻想も 不幸という名の甘い蜜も
いじらしい 程に そう あなたの傷痕になりたかったんだ

その時は その時は その時は―」



バンドを解散して、新しいバンドも上手くやれず、4年も5年も音楽から遠ざかり(その間は何もせずに暮らしていたというのが信じられるような信じられないような)、その『生還』ライブにしたって、バンドの再結成とか、その後の予定とか、何も決まってないまま、とりあえずの生存報告で、そのライブでそんな歌を唄っちゃうんですよ。そういう背景を知ったうえで聴くと、これは響かざるを得ない。得なかった。



Leave a Reply