ミステリの問いに悩む


周木律(しゅうき・りつ)さんの『眼球堂の殺人』を読んでいる。おそらく解決編突入直前に問が設けられている。トリックはどんなものか、そして殺人を実行した犯人は誰か、述べよと。これはこれまでに与えられている情報で解けるのだろうか? 犯人は登場人物の中にいるとか、これまで提示された情報に嘘や見間違いはないとか、そういった宣言がなされていないので、あるいはお遊び感覚で置かれた問いなのか。それを考えているが、答えは出ようもない。とりあえず読み進む前に風呂に入ることにするが。

「実行した犯人」という気になる表現からして、計画した人間と実行した人間が別という可能性もある。が、あえて客観的表現で書いているだけかもしれない。そもそも殺人ということで結論付けてよいのか? 

うーん、直前の文章からいって、常識を疑えということだと思うのだが、さっぱり分からんなあ! 悔しい。


・・・風呂・・・


だが待て。風呂に入っているときに考えた。眼球堂という名前にヒントがあるとしか思えない。直前の会話からして絶対そうだ。

黒目にあたる建造物が水平に180度回転するというのはどうだ。それでちょうど前室の扉があけば、あの円錐が目の前に…は来ないなあ…。深夜の一定時間に客室が開かなくなることも回転のためと考えれば説明つかないか。いやさすがに建物が回転したら、気づくか?

いや客室部分だけが180度というのはどうだ。二重扉になっていることも回転のためのレールがあると考えれば説明がつかないか。客室部分だけが回れば、回廊正面の窓と食堂と前室までの廊下が一直線につながる…が、つながったところで、結局のところ円錐にどうやって驫木(とどろき)の身体を刺すのだ。手では届かないぞ。

分からんので、読む!